訳 木内希
卓越性と熟練度の基準点を設定することは、あらゆる職業や産業の歴史において、究極の成熟度に到達するために重要なステップである。
それが、 ルディ・ガスキンズ と ジョーン・ベイカー が7年前に決意した挑戦でした。
ボイスアーツアワードは、2013年に音声芸術科学協会が開催した第2回プログラムで初めて発表され、同年8月17日にキース・デイヴィッドに第1回目の賞が贈られました。この賞は、R.S. Owens Company(オスカー賞、エミー賞、MTVミュージックアワードなどを手がけたメーカー)とのパートナーシップにより企画されたものです。
このプログラムは、アカデミー賞、エミー賞、クリオ賞など他の賞の会員たちの審査基準に入らなかった重大な空白を埋めるために実施された野心的なプロジェクトで、エントリー部門を構成する様々な分野の専門家によってオープンに投票される形で実施されました。投票は2種類。1つ目は最初のノミネート者を決定するためのもので、2つ目は各エントリー部門の候補者から勝者を決定するためのものです。また、いくつかの特別賞(ライフタイム・アチーブメント、アイコン、レガシー、ヒューマニタリアン、環境アドボカシー)も授与されます。
今年は、ニューヨークの音声芸術科学協会の共同創設者であり会長でもあるルディ・ガスキンズ氏にインタビューを行い、ボイスアーツアワードの詳細と審査のポイント、そしてボイスオーバー業界への影響をお伝えします。
ボイスアーティストを対象とした新しい賞の基準を設けようと考えた時、基本的なビジョンは何だったのでしょうか?
ルディボイスアーツアワードの最初のビジョンは、世界中のビジネスやメディアのあらゆる分野でボイスアーテストが行っている、信じられない、そして欠くことのできない仕事を称えることでしたが、それは今でも変わりません。歴史的に見ても、ボイスアーティストという仕事は、その性質上、当人は大きな喜びを感じられる裏方の仕事であり、ほとんどが匿名で行われるものでした。当然、声優は喜んでやっていましたし、顔を出す俳優達のように批評の対象となること期待していませんでした。しかし、SOVASは、ボイスアーティストたちが良い仕事をしている、まさに際立ってよい仕事をしているということが世の中に知られてもいいと考えています。ボイスアーティスト達は、そのキャリアの全てをこの芸術に捧げているのですから。アワードは、この業界を称えるための素晴らしい方法であり、やるべきことでもありました
このビジョンは達成されたと思われますか?
ルディ: ビジョンが果たすべきものは、このベンチャーが公開される前からはっきりしていました。それは、偉大なジ ェームズ・アール・ジョーン ズ氏がボイスアーツアイコンアワードを受賞するために、第一回アワード・ガラに来てくれたときにも明らかでした。 accept our Voice Arts® Icon Awardこれが「認められることの力」を示すものでなければ、何の意味もないでしょう。力強かったです。しかし、それだけではありません。試金石となったのは、著名人ではない一般的なボイスアーティストが最初に行った受賞スピーチと、続く著名人ではない声優のスピーチを目の当たりにすることでした。彼らが表現した心、魂、謙虚さによって、私たちが目標を達成し、世の中に良いことをしているんだと実感しました。彼らがかつては無名の俳優だったからといって、決して軽視しているわけではありません。むしろ、彼らの参加を楽しみにしていますし、観客も同じです。有名人が達成した卓越したレベルは、誰もが憧れるものです。平凡さを求める人はいません。ジェームズ・アール・ジョーンズ、リリー・トムリン、シガニー・ウィーバー、ロザリオ・ドーソン、ウィリアム・シャトナー、ヴァン・ジョーンズ、ケン・バーンズ、エリン・ブロッコビッチ、マイケル・バッファー、ヴィング・レイムズ、ジム・カミングス、レイク・ベルなどがステージに立つと、私たちがボイスオーバー業界の一員として何をしているのか、その素晴らしさ、誇り、尊敬の念を伝えるメッセージが響き渡ります。それは私たち全員に向上心を与えてくれます。
2013 年から今まで、毎年のエントリー数、カテゴリー、賞の数で言えば、どの程度行っていたのでしょうか?
ルディ: アワードへの応募は、開始以来、前年比150~200%の増加となっています。カテゴリーを増やし、国際的な活動を続けていく中で、より多くの俳優、プロデューサー、コンテンツ制作者が参加してくれることを期待しています。
あらゆる言語や文化の中で、ボイスアーティストの卓越性と成熟度の世界的な基準としてボイスアーツアワード® を紹介するために、この野心的なプロジェクトの規模を拡大していくことは考えていますか?® Awards as a world reference of excellence and proficiency in voice arts across all languages or cultures?
ルディ: もう動き始めています。私たちは世界中から、ボイスアーツアワードを様々な国や言語でプロデュースしてほしいという依頼を受けています。それを実現しようと考えています。非常に困難な挑戦であることは確かですが、実現するための戦略はすでに練っています。今の段階では、あまり多くをお話しすることはできません。ただ、早くに実現すべく動き出しているということだけは申し上げておきましょう。
アラブ人審査員
それから4年後、ボイスオーバー業界の歴史の中でこの壮大なムーブメントを起こした後、THE ARABIC VOICEスタジオの創設者である アーメド・アルコットボイスアーツアワードの授賞式に出席した初のアラブ系ボイスアーティストという業界のプロとして、また、ガラに参加するため、世界の裏側、人類文明の裏側から大西洋を渡ってやってきた審査員として、2017年 意気揚々とニューヨークを目指しました。そして1年後には、THE ARABIC VOICEスタジオのチーフ・アーティスティック・アドバイザーとプロのアーティストのレバノン・シンジケートのヘッドになります。H.E. ジハードアルアトラッシュ は、第二のアラブ人審査員になるため審査員の会議に加わっており、2018年以来、審査プロセスに参加しています。
今年で8回目を迎えるボイスアーツアワードは、世界中のあらゆるビジネスや社会的なイベントに影響を及ぼす複雑な状況の中、ガラはオンラインで行われ、実際の出席はありませんが、賞への応募やカテゴリーは大幅に増加し、審査員はフル稼働です。ここTHE ARABIC VOICEでは、アメリカやヨーロッパのボイスオーバーコミュニケーションや市場だけでなく、日本からカリフォルニアまで、世界中のあらゆる文化や言語を超えて、私たちが現在只中にいるあらゆる困難にもかかわらず、世界中のすべてのボイスアーティストやプロフェッショナル達がこの野心的なビジョンに立ち向かい、それを現実にすべき時が来たと信じています。